「山人-yamado-」と行く、短角牛を学ぶ社員研修ツアー

肉のふがねでは、自社製品をより深く学ぶことを目的として、生産者や牧場等を周るツアー(社員研修)を開催しています。
5月最終週に行われたツアーは、西和賀町の湯川温泉旅館「山人-yamado-」から社員研修として短角牛の生産現場を見学したいリクエストを受け、社員交流も兼ねてふがね社員も同行する形で実現いたしました。
「山人-yamado-」さんでは、リトリートらしい自然や食文化を従業員の生の声で伝えるべく、PodcastやYoutubeで配信をされています。(ページ下部にリンク掲載)
今回は、そのツアーのレポートをお届けします。

 

今回のツアーで使用した弊社のバス

肉のふがねの工場直営店がある岩手県、岩手町。当日は半袖でもちょうどいいくらいのお天気でした。西和賀町にある湯川温泉 山人-yamado-のみなさんとご一緒にバスに乗車。

肉のふがねを理解するパンフレット集

車内では、今日の工程の説明をきき、美味しそうな写真が盛りだくさんのパンフレットをいただきました。「東京のお店でも牛一頭を丸ごと使ってもらっているお店もあります。『鼻から尻尾まで全部おいしく食べてもらう、ノーズトゥテイルというプロジェクトをすすめていいるんです』」という府金社長のお話が印象的でした。さて、ツアーのはじまりです!

肉のふがね沼宮内本店の看板

バスが街中に入ると見えてきたのは「肉のふがね本店」の看板。味があって素敵なたたずまい…と思ったら、建築デザイン賞をいただいたこともあるのだそう。川口工場直営店とは商品のラインナップが違い、アットホームな接客が地元の常連さんのハートをつかんでいるというお話。「街のお肉屋さん」という雰囲気がほっとさせてくれるお店です。

バスの中では同乗者を知る自己紹介タイムも

バスの中は自己紹介タイム。今回は山人のスタッフのみなさまと、肉のふがねのスタッフ合同での産地ツアーです。「山人で、岩手食材の美味しさをお客様に伝えるときに、短角牛は欠かすことができない」と山人の高鷹社長から、力強い一言。

府金社長、高鷹社長、お二人とも自転車が趣味ということで「経営と自転車は近いものがありますね、目の前のことをひとつずつ確実にこなしていくのが大事」と、車内でのお話にも花が咲いていました。

葛巻町の名店、森のそば屋

葛巻町に入ると、窓の外から炭焼き小屋のいい香りがバスの車内にも漂います。そんな、のんびりした空気の中でたどり着いたのは「森のそば屋」。今日はこちらでお昼ご飯をいただきます。

南部鉄器と囲炉裏の風景

店内にはいってまず目に入るのは南部鉄瓶と囲炉裏の風景。ノスタルジックな気持ちと一緒にツヤツヤのお蕎麦をいただきました。

まずは冷たいお蕎麦から

続けて温かいお蕎麦をいただく

冷たいお蕎麦のあとには、あたたかいおそばが運ばれてきてびっくり。
「冷たいのも、あったかいのも、両方食べたくなるでしょ(笑)」と優しい口調でお店の方が教えてくれました。確かにざるそばも、ほかほかのお蕎麦もどちらも美味しかったです!

お蕎麦はお店裏手の水車で挽かれている

蕎麦を挽く作業場

自然豊かな葛巻町の風景

お昼ごはんの後は、お店の裏手にある水車小屋を見学しました。森のそば屋のお蕎麦はここの石臼で挽かれているそう。「蕎麦の実は、粉にするときに引きちぎる段階で熱がでるんです、石臼はのんびりと回るので熱が出ず、風味の良い蕎麦ができるんですよ」とお店の方から教わりました。

柿木畜産が管理する牧場

森のそば屋を後にして、バスは次の目的地、短角牛専門の肥育をしている柿木さんの牧場に向かいます。到着すると、広い広い緑の草原が一面に広がっていました。おもいきり深呼吸したくなるような、清々しい場所です。

短角牛について話す柿木さん

牧場にいる牛は平均7歳。ほとんどが親子で、約50組。春に来て、秋頃までをこの牧場で過ごすそうです。

「短角牛は子育てが上手なんです。普段は穏やかで人懐っこいですが、暴れたら一番怖いですよ!」と柿木さん。

良質な牧草を食べてグラスフェッド牛が育つ

牧草の上を歩くとふわふわした感覚が靴を通して足裏に伝わります。よくみると牛が食べたところと食べていないところがある様子。美味しい草、お気に入りの草があるんですね。

「草食動物は草だけであんなに大きくなるからすごいですよね。草だけを食べて育ったお肉をグラスフェッドというんですが、味わいも優しく、体にも負担が少ないんです。グラスフェッドの短角牛を育てるというのは『肉のふがね』のミッションでもあるとおもっています」と府金社長。

柿木畜産の見学

牛舎で元気に過ごす牛たち

牧場の次は柿木さんの牛舎へ。「短角牛は肉のランクで言えば「A2」になることが多いんです。でも、このランクは肉に入っている脂の量で決まるので、味そのものの評価ではないんですよね。霜ふりの肉にするには、牛が失明する寸前までビタミンの摂取量をコントロールすることが必要なんです。わたしも学生時代にそれをきいて衝撃でした、牛の幸せってなんだろう、と考えさせられました。健康志向とは真逆ですから」牛舎を歩き、牛たちの暮らしを見学しながら、柿木さんのお話を聞きます。全て国産原料で育てる牛たち

こちらは牛たちにあげている餌。全て国産の原料で、小麦ふすまとお湯でもどした丸大豆を配合。

短角牛を誘導する柿木さん

短角牛を育てる柿木さん

平庭高原で開催されている闘牛大会に出場する牛も見せていただきました。柿木さんが手綱を引くのはチョッパーと名付けられた牛で重さは1トンを超えるんですって。チョッパーの近くに寄ると雄々しい空気がびりりと伝わってきます。

「肉牛は死ななければ肉として価値を作ることができない、でも闘牛は生きていながら、その価値が発揮できる。戦う才能がある牛には、そういう生き方の道も作ってあげたい」、と柿木さん。チョッパーを見る眼差しが優しくあたたかでした。

社内で説明する府金社長

帰りの車内では今日の感想をみなさんと共有しました。
「気軽に参加したが、凝縮したツアーで本当に楽しい。肉に関する認識がまだまだ甘かったと感じました」

「接客を担当しているので、生産地についてお客様から質問されることも多い。今日自分の目で見たものをお客様にも伝えていきたい」

「牛を間近でみて、その一生に思いを馳せる貴重な体験をさせてもらった。牧場の話と同じくらい自転車の話も楽しかった(笑)」

「森のそば屋でいただいたお蕎麦が本当に美味しかった」

「まさに短角牛のフルコース、というツアーだった」

「内容が濃いツアーでした。あの牛たちは本当にいい一生で、私たちの口に入るんだというのを自分の目で見て感じることができた」

「鳥や豚とも違う、牛ならではのダイナミックさがありました。料理のイメージにもつながりました」

 

「牛は草食動物なんだな、と改めて感じました。 A5ランクがいい肉だという考え方に対して疑問がうまれました」

「『わたしなんて』、『うちの地域なんて』、とおもって卑下している人が多いと日頃感じている。しっかり真面目に作ってることはそれだけで大きな武器。肉、お酒、野菜、その魅力がどうやったら伝わるのか考えていきたい」

セシーナが入る川口工場の熟成庫

セシーナをカットする府金社長

セシーナの断面

セシーナとチーズとはちみつ

岩手町に戻ってきてからは肉のふがね川口工場の見学をさせていただきました。二年熟成の短角牛のセシーナと白仙(田野畑山地酪農の熟成フレッシュチーズ)、それにはちみつを合わせて試食。「この一口に岩手が詰まっているね」とみなさん驚きながらの実食でした。

一日を通して、短角牛と県北の魅力を浴びるように味わった今回のツアー。自分の口に入っているお肉になる前の牛は何を食べ、どんなふうに毎日を過ごし、生きた牛なのか、そんなふうに考えて食べ物を選んでいく意識を私たちひとりひとりが持ち、生産者さんの思いに触れる機会も増やしながら、「食」に対して自分の中での解像度を上げていきたいと思います。

 

岩手短角和牛で作られるセシーナはこちらから↓

希少種岩手短角和牛で作られた日本初の無添加牛肉クラフトハム セシーナ

今回ご一緒した山人-yamado-さんのリンクはこちらから↓

山人-yamado-公式サイト

山人-yamado- 北風放送(Podcast)

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