【第1章】日本発セシーナができるまで

日本発 セシーナができるまで

〈初めて「セシーナ」を知る〉

 

セシーナを知るきっかけになったのは2010年8月に取得したハム製造に必要な資格「食品衛生管理者」での出会いから始まります。大学が夏休みを迎えた時期に行われる50日にわたる食品衛生学、添加物などの食肉製品に関わる講習会と実験になります。

全国の食肉製品に関わる経営者、工場長、製造担当など約200名が受講する数年に一度開催される肉のプロフェッショナルの講習会です。

私も受講させていただきその時たまたまご一緒させていただいた栃木県の「㈱グルメミートワールド」田村幸雄社長との出会いがまさに「日本初のセシーナ」を導いてくださったきっかけになりました。

田村社長の経営する会社はスペインを主にハモンセラーノやワインなどの輸入商品を国内で流通させる事業を行う大正創業の老舗肉屋の4代目です。

田村社長とたまたま講習会参加者の打ち上げでご一緒し

田村社長:「府金さんは岩手短角和牛を取り扱っているんですね?」

府金:「はい。ご存じなんですね。」

田村社長:「国内での赤身肉として短角牛は有名で美味しいですね。」

府金:「うれしいです。」

田村社長:「スペインにはCECINAという牛肉の生ハムがあるんですよ!」

府金:「牛肉の生ハムですか?初めて聞きました。」

田村社長:「海塩と牛肉だけで造る無添加生ハムなんですよ。短角牛で造ってみては?」

府金:「食べてみたいのですが輸入してもらえますか?」

田村社長:「BSEの問題で輸入できないんですよ。」

府金:「どうすれば食べることできますか?」

田村社長:「現地行って食べてこないといけませんね!」

とご提案いただきそこから自問自答というか迷走というか決心がつくまで3年半の時が過ぎました。
2014年3月30日、私は意を決してスペインのバルセロナに出発しました。

第二章へつづく

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