岩手短角和牛を守ること
Iwate Shorthorn Wagyu Beef

日本短角種は、和牛全体の1パーセントにも満たない希少種です。
岩手短角和牛の最大の特徴は、おおらかな自然のサイクルにゆだねた飼育方法。日本の畜産では他に類をみない「夏山冬里方式」にあります。春先に牛舎で生まれた子牛は、母牛の乳を飲んですくすくと育ち、新緑シーズンを迎えると母子で山の牧野に放されます。これは「山上げ」と呼ばれ、何百年も変わらず受け継がれてきた牧歌的な風景。広大な草原をうれしそうに駆けまわる牛たちは毛並みもつややかで、生命の輝きにあふれています。
夏場、岩手に吹く冷涼な北東風「やませ」の影響で、山が霧におおわれると、栄養価の高い牧草がよく育ちます。暑さの苦手な牛たちも涼しい風に癒され、新鮮な青草をじゅうぶん食べて、健康的で引き締まった肉質へと育ちます。
この肉の旬は春。出産時期が春になるため2年後に一気に出荷時期を迎えます。旬を迎えた牛肉は上質な旨味とフレッシュな赤身の肉質が特徴です。
味の箱舟
地域固有の歴史や文化、生活とも繋がりの深い日本短角種は、
イタリアを本部とするNPO「スローフード協会」から、食の世界遺産とも呼ばれる
「味の箱舟」に認定されています。
赤身肉の芳醇な風味をダイレクトに味わえる岩手短角和牛。

特に、鮮やかな赤身に自然のサシが入ったサーロインは、噛むほどに深いコクがあふれ、素材本来の旨みを感じることができます。黒毛和牛の霜降り肉と比べて赤身の割合が多く、タンパク質が豊富。イノシン酸・グルタミン酸など、旨み成分である各種アミノ酸を豊富に含んでいます。澄んだ旨みの余韻が長く続く深い味わいは、赤身肉を好むフランス料理やイタリア料理のシェフにも高く評価されています。

肉のふがねは、岩手短角和牛の専門店として、そして岩手短角和牛のいる牧野を守り続けるため、信頼できる肥育農家と共に岩手短角和牛の普及に努めています。